ご存知でしょうか?首を振らないサーキュレーターといえばボルネード、飛行機の技術を扇風機に応用して生まれたこの超硬派のサーキュレーターは、365日24時間の運転を前提に作られていることを。
そして構造もシンプル設計で首ふり機能だけでなく、ほぼ全ての機種にリモコンがないことも。
でもその中で唯一、日本で販売されているボルネードでリモコン付きのサーキュレーターがあります。
それが6303DC-JPです。(厳密にはタワー型にはリモコン付きがあります)
2017年5月26日にDCモーター搭載モデル、リモコン付きとして販売されました。でもその後も、この6303DC-JP以外にリモコン付きのボルネードサーキュレーターは未だに発売されていません。
なので日本ではリモコン付きとしては貴重ともいえます。
実は昨年の夏は生産状況が非常に不安定なため在庫が無くなり、一時的に欠品となっていましたが、ついに2022年1月から販売が再開され公式サイト、各ネットショップでも販売。
ずっと気になっていた機種だったこと、Amazonで25%引きだったことで6303DC-JPをついに購入しました(2022年5月)
では早速、入手したこの6303DC-JPをレビューしてまいります。
「ボルネードのサーキュレーターには興味があったけど、リモコンがなかったので買うのをためらっていた」という方、是非参考ににしてみてくださいね。
リモコン付きボルネードサーキュレーター6303DC-JPのスペック
型番 | 6303DC-JP(リモコン付き) |
色 | 白 |
風の到達距離 | 26m |
適用畳数 | 35畳 |
羽根のサイズ | 約22㎝※当ブログ値 |
風速 | MAX 6.1m/s ※当ブログ値 |
吸引力 | MAX 3.2m/s ※当ブログ値 |
風量 | 12.5m³/分 ~ 2.9m³/分 |
音 | 57db ~ 30db未満 |
上下の可動角度 | 0~90° |
風量設定 | ターボ ~ 弱まで99段階 |
消費電力 | 53W ~ 2W |
電気代(1時間) | 1.30円 〜 0.05円 |
本体寸法(cm) | 幅31.0×奥行21.5×高さ37.0 |
重量 | 2.5kg |
保証期間 | 10年(製品登録必要) |
標準価格 | 29,150円 |
この内「羽根のサイズ」「風速」「吸引力」は当ブログでの測定値です。
この中でもサーキュレーターの「吸引力」はメーカーや他のブログでもあまり着目されることはありません。当ブログでは風速計をサーキュレーターの後方、つまり吸引口に当ててMAX値を計測しています。
皆さんがスペックで気になるのは適応畳数や、風の到達距離、騒音値、電気代がほとんどだと思います。
ただサーキュレーターは空気循環器と言われており、いかに部屋の空気をムラなく循環させるかが要です。その際に送風力(排気力)はもちろん、地味ではありますがこの吸引力(吸気力)がとても大事になります。
今回使用してみて一番思ったのは、さすが航空力学がら生まれた世界初のサーキュレーターといったところでしょうか、ボルネードはこの点、他を寄せ付けないほどの性能を感じました。
このあたりは動画も作成していますので、後ほど詳しく触れていきます。
まずはこのボルネードサーキュレーター6303DC-JPの目玉ともいえる「リモコン」について詳しくお伝えしますね。
ボルネードサーキュレーター6303DC-JPのリモコンについて
それではボルネードでは貴重ともいえるリモコンですが、その操作方法や操作性、機能について紹介します。
リモコンの操作方法
リモコンでできる操作は次の3つです。
①電源のオンオフ・・・「電源入/切」を押す
②風量調整・・・「風量とタイマーの調整」のプラスマイナスを押す
③タイマー設定・・・「タイマーボタン」を押すたびに1時間ごとに増加、最大12時間
リモコンの操作性
まずリモコンはRF方式でなく赤外線方式です。そのためサーキュレーターにリモコンを向ける必要があります。受信できる距離を測ってみると約6mが限界でした。そのためロフトから下に設置したサーキュレーターを操作するのはあまり向いていないようです。
またボルネードサーキュレーター6303DC-JPの適応畳数は35畳、間取りにもよりますが部屋の端に設置した場合は、部屋の真ん中ぐらいが操作できる限界となります。
リモコンの反応は良好。風量を上げ下げする時は長押しすればスムーズに調整ができます。個人的にはふっくらしたボタンが押しやすく気に入っています。また表面がつるつるしており手触りもいいです。
リモコンの電池
リモコンの電池は3V(CR2032)です。
電池の交換は裏側にあるネジ止めされたカバーを開けて行います。
リモコン本体の大きさは8㎝×3.2㎝。一見面倒に感じるかもしれませんが、本体が小さいのでふいに落とした時などカバーが取れる心配がないので安心です。
テレビやエアコンのリモコンのカバーが簡単に取れたという方は多いはず、ネジ止め仕様は正解だと思います。
リモコン付きボルネードサーキュレーター6303DC-JPの性能実験
さて、ここからはサーキュレーター本体の性能を見ていきましょう。
サーキュレーターは空気循環器と言われており、いかに部屋の空気をムラなく循環させるかが要です。その際に送風力(排気力)はもちろん、地味ではありますが吸引力(吸気力)がとても大事になります。今回使用してみて一番思ったのは、さすが航空力学がら生まれた世界初のサーキュレーターといったところでしょうか、ボルネードはこの点、他を寄せ付けないほどの性能を感じました。
このようにボルネードサーキュレーター6303DC-JPの性能を最初にお伝えしましたが、「そんな綺麗な言葉だけでは納得できないよ!」とそんな方にちょっと面白い実験を動画に収めてみました。
一つは先ほどからお話している吸引力の実験、もう一つは送風力です。
単体だと比較もできないので、吸引力の実験では次の2機種と比べてみました。
アイリスオーヤマの人気シリーズ「サーキュレーターアイ」から「PCF-SDC18T」、ボルネードからは当ブログでも最強かもと再三お伝えしてきた「723DC-JP」との3機種で実験を行いました。
また送風力の実験では、「PCF-SDC18T」と比べてみました。こちらは動画だけでは違いは分かりづらい結果だったので画像でも後ほど紹介します。
6303DC-JPの性能実験動画|吸引力
まずは動画をご覧ください。観て頂けると分かると思いますが、明らかにボルネードの性能が高いと分かる内容となっています。「723DC-JP」については以前の記事で吸引力は非常に高いと分かっていたので予想通りでしたが、「6303DC-JP」においては今回の新発見でした。
実験の内容はよくある家庭用テントを利用したものです。両端のカーテンが付いています。
テント内にサーキュレーターを設置します。
同条件になるようにメジャーで計測して同じ位置に設置します。今回はテントの端から50㎝のところにサーキュレーターの背面がくるようにしてしました。そして電源オン!
これはアイリスオーヤマの「PCF-SDC18T」です。適応畳数30畳もある強力なサーキュレーターです。家ではリビングでの部屋干しにも使っています。デザインがコロンとしてて、可愛いので主に子供部屋で使用。
トップクラスの送風力がありますが、結果は意外にも振るわなかったです。
次はボルネード「6303DC-JP」、適応畳数は35畳です。電源オンしてしばらくすると、綺麗にカーテンを吸い込んでいく様子が動画に収まっています。公表されている本体サイズやスペックは、「PCF-SDC18T」とほぼ同程度、風の到達距離においては実感としては「PCF-SDC18T」の方が上です。
でも結果はこの通りで、ボルネードに軍配が上がりました、やはり世界初は伊達じゃないのか。
最後はボルネード「723DC-JP」です。実は当初この「723DC-JP」を実験するつもりはなかったんですが、同社の「6303DC-JP」が結果が凄かったので、ただ興味本位で追加で行いました。
その結果はもう誰が見ても明らかなものです。
6303DC-JPの性能実験動画|送風力
お次は送風力の実験です。アイリスオーヤマはサーキュレータアイシリーズが登場して以来、その直進性と風速の強さは、後発ながらボルネードにも負けない強さがあります。アイリスオーヤマの古い型で一回り大きいサイズの物も持っていますが、小型化したサーキュレーターアイの方が断然性能は上だったことに当時はびっくりしました。
さて、この実験では同じくテントを利用して、今度は外側から風を送りテントの両端にある合計2枚のカーテンを通過した時の風速を計測してみました。風速は計測できますが風量は個人では無理そうなので、ここではカーテンの揺れ具合で風量の代わりにパワーを判断します。
このパワーと風速によって送風力を総合的に判断します。
ちなみに風量の計測方法は下記の通りです。(個人では無理っぽいです。(”◇”)ゞ)
風として移動する空気の「量(体積)」のことで、風速の値に面積を掛け合わせることで算出することができます。
風速・風量の測定方法と測定器
風量 [m³/h] = 平均風速 [m/s] × 有効開口面積 [m²] × 3600 秒
※ 有効開口面積 [m²] = 開口面積 [m²] × 有効開口率 [%]
これが実験動画です。まずはご覧ください。
これはアイリスオーヤマの「PCF-SDC18T」を至近距離で風量を計測した様子です。風速はMAXで6.7m/sと表示、さすがに強力です。
2枚のカーテンを通過させます。
その時に数値がこれです。2.8m/sと表示されました。
一方ボルネード「6303DC-JP」というと、至近距離では6.1m/s 少し劣ります。
同じく2枚のカーテンを通します。
結果は「PCF-SDC18T」と同じく2.8/sでした。でも動画ではボルネード「6303DC-JP」は2.7m/sと表示されています。何度か実験を繰り返しましが、数値上「PCF-SDC18T」は上をいっており、風速では優っています。
一方、カーテンの揺れ具合(パワー)においては、風速計を撮影していた時に既に感じていたんですが、背中に纏わりつくカーテンの靡き(なびき) 具合が違っていました。
こちらは「6303DC-JP」の様子です。
そしてこちらが「PCF-SDC18T」の様子です。赤丸している所を見るとカーテンの靡き具合、広がりの違いが判るはずです。
両機種の本体サイズはほぼ同じでも、羽根のサイズが18㎝と22㎝(当ブログ測定値)と差があります。
羽根のサイズが大きい分「6303DC-JP」は、カーテンの揺れ具合(パワー)は優ったようです。
まとめと補足
今回のレビューを下記にまとめました。
■リモコンは赤外線で操作距離は約6m
■リモコンはシンプル、電池カバーがネジ止めでカバーが外れる心配がない
■リモコンのふっくらしたボタンが押しやすくお気に入り
■風量がたっぷりあるので、しっかりと空気を動かしてくれる
■吸引力が凄いので、空気循環器として十分な性能を感じた
また本文以外でもダメだったことは下記の通りです。
■リモコンが赤外線なのでロフトからの操作は難しい(正面に向ける必要があるため)
■DCタイプといえどもMAX時の使用時の音が大きい(他社でも同じですが)
■首ふり機能など一切なし
稼働音に関しては他社でも「静音仕様」といってDCモータータイプを売りにしていますが、「MAX時で超静か~」という機種を今まで見たことはありません。反対にそんな機種があれば教えてくれたならば即購入して実験します。当然強力なサーキュレーターであることが前提ですが (^^;)
通常の使用域ではモーター音は、ほぼ聞こえません。風切り音が静かに響きます。
それ以外の性能面では、十分な性能と言っていいでしょう。
またボルネードのDCモータータイプは、製品登録をすればモーター部分に対しては10年保証があります。首ふり機能がないのでほぼ壊れる原因はモーター部分になることから、これはかなり手厚い保証ではないでしょうか。
以下は補足です。本体での操作はリモコンがあるのであまり触ることはないでしょう。
風量調整はタッチパネル。押し続けると素早く数値が変化します。
電源とタイマーはボタン式です。
これは後方の留め具です。ネジ式なのでお手入れ時にカバーを開ける際は、ドライバーが必要となります。
背面の持ち手の部分です。深く溝があるので持ち運びの際にも安心です。機種によってはこれが不出来なものがあるので、この点は地味に嬉しい作りとなっています。
少々記事が長くなってしまいましたが、今回のレビューはいかがだったでしょうか?
ボルネードは首を振りません。もしそれがネックならアイリスオーヤマのサーキュレーターアイシリーズ「PCF-SDC18T」がおすすです。本文でも書きましたが我が家でも使用しています。
どちらかが良いのかは、使い手次第でもありますが、今回の記事を是非参考にして頂ければとても幸いです。
最後までお付き合いくださりありがとうございました!
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