自分でも信じられませんでしたが、足裏をサーキュレーターで冷やしてやると、ぐっすりと眠ることができたんです!
きっかけとなったのは、サーキュレーターを床に向けると快適になるという記事を作成していた時です。
サーキュレーターを床に向けると足元を冷やすには最適だったんですが、昔から頭寒足熱という言葉があるように頭部を涼しくして、足元は暖めることが健康に良いと広く言われています。
当然、「足を冷やしてもいいのか?」と疑問がよぎります。
そこで調査してみることに。
その結果、科学的にも睡眠時に効果的だったんです。しかも熱中症対策にも効果的だとも分かりました。
科学的なエビデンスと資料を重視してお伝えしますので、寝苦しい夏の夜になかなか眠れないとお困りの方は、是非参考にしてみてください。
サーキュレーターで足裏を冷やす上で知っておくべきこと
まずは、サーキュレーターで足裏を冷やす上で知っておくべきことを紹介します。
それには深部体温やAVA血管(動静脈吻合)との関係など、人間の体のメカニズムを知る必要があります。
これらを知っておくと睡眠だけでなく、熱中症対策にも役立ちますよ。
深部体温とは
深部体温とは、脳や臓器など体の内部の温度で、内臓の働きを守るため、外環境の影響を受けにくく、一定に保たれています。生命機能の維持のために皮膚温より0.5度から1度ほど高いことが特徴です。
一方、体温計で測定する温度は表面温度であり、身体の皮膚温と言われます。
また、深部体温は熱中症に大きく関わっており、通常37℃前後に保たれている深部体温の高温状態が続くと全身のけいれんや意識障害を起こすことがあります。
参考≫深部体温と熱中症 | 熱中症ゼロへ – 日本気象協会推進
参考≫深部体温の下げ方とは?アイススラリーで熱中症も予防-大正製薬
深部体温が下がると眠気が強まる
人は皮膚表面から熱を逃がすシステム(熱放散)が働くと、深部体温が下がり眠気が強くなります。深い睡眠の時ほど、体温は大きく低下するという特徴を持ちます。
基本的には、深部体温はなるべく一定の体温になるようにはなっていますが、一日で見るとそれは違ってきます。その違いのある時間帯が夕方と朝方です。
深部体温は夕方から徐々に体温が上がり、そのあと朝方にかけて下がります。
深部体温が下がると生命を支えている代謝が下がり、脳を含んだ全身の休息状態が作り出されます。
生命維持のために眠気が来るようになっているわけです。
このように深部体温の低下と眠気には関連があることがわかっており、深部体温が低下すると眠りやすくなります。
参考:ヒトの体温調節と睡眠
参考:寝苦しさ 解消して WEBセミナー「夏の夜の眠りの教室 みんなで眠育」
参考:おとなの養生訓 第122回「入浴と睡眠」「深部体温」下げて就寝
深部体温をコントロールするのはAVA血管(動静脈吻合)
深部体温の低下と眠気には関連があることがわかっていただけたかと思いますが、それをコントロールするのがAVA血管(動静脈吻合)です。
AVA血管は、主に手のひら、足裏、指、頬、まぶた、鼻、唇など、手足の末端、顔の一部だけに存在する特殊な血管です。
皮膚表面から約1mmと毛細血管より少し深いところに1平方センチ当たり100~600個存在します。
拡張したときには直径が毛細血管の約10倍にもなり、血液量は毛細血管の1万倍にもなります。AVA血管は普段は閉じていますが、体温が高くなるにつれて血液が増加して手足からの熱拡散を起こします。
逆に、AVA血管のある手のひらや足裏を冷やしてあげると、効率よく冷やされた血液が大量に全身をめぐります。つまり、眠気を誘発する深部体温を下げられるというわけです。
また、体温上昇を抑えることができるので熱中症対策にも効果的だと言えます。
足裏を冷やすことのメリットと個人差について
話が難しくなったかもしれませんので、ここで足裏を冷やすことのメリットだけをまとめてみました。
- 足裏にある熱を放出する役目のAVA血管を冷やすことができる
- AVA血管を冷やすことができるので、深部体温が下がられる
- 深部体温が下がるので結果、眠気が誘発されて眠くなる
- 体温上昇を抑えることができるので熱中症対策にも効果的
とこのような内容となります。
手のひらや甲、足裏などの末端は熱を放出するための大きな役割を果たします。車で言えばラジエーター(冷却装置)みたいなものと考えれば、分かりやすいかもしれません。
よく、赤ちゃんの手が温かくなるのは眠気がきたサインといわれますが、それは手から熱を逃しているからなんです。
ほんと人の身体はよくできていますね。
このように、皮膚表面から熱を逃がす体機能(熱拡散)が働くと、通常は深部体温度が下がるので、それによって体は休息状態になり眠気が訪れます。
しかしながら、AVA血管の反応には個人差があります。腕や足が細いや長いといった体格の差(表面積の差)や皮下脂肪や筋肉の量によっても個人差は生まれます。
また、冷え症の人が不眠になりやすいのは、末端の血液の流れが悪いために手足から熱が放出されにくく、深部体温が下がらないからだと言えます。
ですので健康な方のみならず、そういった方は特にAVA血管に直接働きかけるように、手や足裏を冷やすことが有効な手段となるわけです。
これらのことから、全ての方に同じような効果が出るとは言えませんが、足裏を冷やすことのメリットは大きいとわかっていただけたのではないでしょうか。
では、どのようにして冷やしてあげるのでしょうか?
そこでサーキュレーターの出番となります!
足裏を冷やすための効果的なサーキュレーターの活用方法
足裏を冷やすための効果的なサーキュレーターの活用方法は、至ってシンプルです。
まずはサーキュレーターを水平に向けるか、床に向けます。
できることなら床に向けた方が、一度床に跳ね返ってから風が届くので自然に近い風となります。
エアコンと併用する場合は、設置場所はエアコンの真下がいいでしょう。
少しでも涼しい風を求めるなら、最短距離を結ぶ位置に置いてください。その際エアコンの向きはサーキュレーターのある場所です。
あとは就寝時の足裏を目指して風を送りましょう。心地良い風が足裏を冷やしてくれるので、深部体温を下げてくれます。
結果、睡眠が誘発されることになります。
また夜間の熱中症にも有効ですので、是非試してみてくださいね。
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